【2026年度】広島県公立高校入試(英語分析)

【英語】詳細分析

英語の概要分析

令和8年度の英語は、前年度の平均21.4点から20.2点へと難化しました。標準偏差は11.3となっており、得点分布には非常に大きな特徴が現れています。

📊 得点分布グラフ(英語)
合計 平均点 (20.2点)
0 5 10 15 20 25 30 (%) 0 1〜5 6〜10 11〜15 16〜20 21〜25 26〜30 31〜35 36〜40 41〜45 46〜50 (点) 平均点 20.2点
※グラフの赤い破線は平均点(20.2点)の位置   
※「令和8年度 広島県公立高等学校入学者選抜 一般学力検査の結果」 より

具体的には、得点分布のピークは10点前後に形成されており、平均点20.2点を5点以上下回る15点以下の受験生が全体の約4割(約41%)を占める。一方で高得点層は50点近くまで分布が伸びており、受験生間の学力差が大きく反映された試験であった。標準偏差11.3点は比較的大きく、受験生間の学力差が得点に反映されやすい試験であったことを示している。多くの受験生が平均点より低い点数帯に集まる一方で、高得点を取った受験生も一定数存在する特徴的な分布となっており、平均点付近に受験生が集中するタイプではなく、基礎事項の定着度や記述・長文対応力の差によって得点が広く分散した試験だったと考えられる。


大問・小問・正答率詳細一覧

太字の箇所は、記述形式や正答率・無答率が顕著に動いた注目ポイントです。

大問 小問 分野

領域
形式 出題のねらいと概要 正答
部分
正答
無答
配点
1 A 1 リスニング 記号
選択
複数の動物名からウサギ(長い耳)の特徴を照合する 95.5 0.0 0.1 2
1 A 2 リスニング 記号
選択
曜日ごとの予定(火曜=英語、土曜=ピアノ)を一致させる 81.5 0.0 0.1 2
1 A 3 リスニング 記号
選択
案内図の複数階の情報から最終目的地(8階ステーキ店)を特定 57.3 0.0 0.1 2
1 B リスニング 短文
記述
対話の文脈(早く集合したい)に合う質問を4語以上の英文で記述 14.4 18.8 14.6 3
1 C リスニング 自由
記述
外国人教師の呼びかけに対し、日本語の単語1つとその意味・理由を英文記述 8.8 39.3 19.1 4
2 1 会話文・資料 記号
選択
文脈に合う適切な前置詞句(According to)の選択 40.2 0.0 0.2 2
2 2 会話文・資料 記号
選択
輸出量グラフの数値と合致する西暦年(2014年と2024年)の読み取り 50.1 0.0 0.1 2
2 3 会話文・資料 記号
選択
挿入英単語の文脈判断(理由を尋ねる適切な文を選択欄から選ぶ) 54.7 0.0 0.4 2
2 4 会話文・資料 記号
選択
空欄に補充する適切な接続詞・関係詞を伴う節の選択 55.5 0.0 0.4 2
2 5 a 会話文・資料 記号
選択
会話をまとめた【メモ】の空欄に適語を補う 72.9 0.0 0.3 4
5 b 35.6 0.0 0.5
5 c 52.6 0.0 0.4
5 d 49.9 0.0 0.5
3 1 (1) 長文読解 短文
記述
主人公が部活を休んだ月(July)を本文から特定し英文で答える 16.3 28.5 14.1 2
1 (2) 足の回復後にチームメイトと練習したかをYes/Noを伴う英文解答 51.7 6.3 17.1 2
3 2 長文
読解
空欄
補充
文脈に適した感情を表す形容詞(worried)を1語で補う 47.1 3.9 10.1 2
3 3 長文
読解
記号
選択
下線部(コーチの言葉)の意図・理由を説明する記号の選択 44.8 0.0 0.7 3
3 4 長文
読解
並べ
替え
関係代名詞の修飾を含む目的語の語順語順(found things that I should...) 19.6 0.5 3.6 3
3 5 長文
読解
記号
選択
本文の内容と合致するものを4つの選択肢から2つ選ぶ(完答) 48.3 0.0 0.9 2
3 6 (1) 長文
読解
条件
記述
レモンの比喩表現を踏まえ、対話の空欄を7語以内の英語で埋める 6.3 4.8 38.2 3
6 (2) 短文
記述
対話の流れに沿う適切な不定詞を含むフレーズ(to remember等)を2語記述 15.3 1.7 27.2 2
4 自由
英作文
長文
記述
家庭ごみを減らすアイデアと理由を、自身の経験を含め30語以上55語以内で記述 4.0 49.2 9.3 8

本入試の特長(問題構造と他塾分析の融合)

  • 「情報の一時フィルタリング」を求める
    リスニングへの進化
    大問1のNo.3(レストランの階数特定)に代表されるように、
    対話の途中で
    「4階のサンドイッチ店」
    「6階の本屋」といった
    多数のダミー情報が提示され、
    最終的な目的地(8階のステーキ店)に合意する瞬間まで集中を持続させる必要があります。
    聞こえてきた数値をただ選ぶのではなく、対話の文脈に合わせて瞬時にフィルタリングする、一段上のリスニング能力が試されています。
  • 「本文+追加の初見資料(グラフ・対話)」の同時処理能力
    大問2における「緑茶の輸出量」の棒グラフ、大問3の終盤における「レモネードの比喩」を用いたエミリーとの対話というように、ベースとなるメインの英文に加え、別角度からの初見資料や情報を脳内で瞬時に融合させる必要がありました。これにより、読む速度が遅い受験生は「時間が足りない」という致命的な状況に追い込まれました。
  • 「30〜55語」の厳格なフレームワーク構築力
    大問4の自由英作文は、単に「ごみの減らし方」を書くだけでなく、
    「①具体的なアイデアを1つ」
    「②それを裏付ける自分の具体的な経験」

    という2つの条件が明示されました。
    これを考えるときに、思い浮かぶ単語を基準に文を創作することが大切です。
    また、解答用紙の記述枠は1行あたり5語前後が書き込める幅で設計されており、
    頭の中で「構成(15語)+経験(25語)」のような文字数配分を想定しながら書き進めないと、途中で枠をはみ出すか、語数が足りなくなる構造になっています。

採点基準から見える
「合否を分ける得点戦略」

「白紙は厳禁」:部分正答率は70.6%!不完全でもあきらめずに書ききる!
大問4の自由英作文(8点)は、完全正答率がわずか7.5%の一方で、部分正答率は70.6%という非常に高い数値を示しています。
採点基準には「問いを正しく捉え、条件を満たしていれば内容は異なってよい」と明記されており、スペルミスや多少の文法ミスがあっても、思いつく経験(例:キーワードRecycle、古いシャツで買い物袋を作ったなど)が条件通りに書かれていれば部分点が得られます。
ここでは、完璧を求めすぎずて時間を浪費しないように注意して、とにかく何か書くことに集中しましょう。

「語数制限」は、答えへのヒント
大問1の問B(4語以上)、大問3の問6(1)(7語以内)、大問3の問6(2)(2語)など、語数条件が指定されています。
語数の指定は「何を使って書くべきか」を考えて絞り込むための、最大のヒント(目標値)になります。

例えば、空欄に「2語」とあれば、2語でぴったり収まる、学習した熟語や文法(to remember など)を思う浮かべましょう。

  • 点数を確実に取る生徒: 解答用紙のマス目や下線をパッと見た瞬間に、「よし、〇語ということは、あの表現を目標に文を組み立てよう」と、使うべき文法やイディオムを逆算して絞り込んでいる。

語数制限は、あなたを困らせる「縛り」ではなく、答えを教えてくれる「ヒント」です。


差がつく重要問題の深掘り
① 大問3 問6(1) 比喩(lemon / lemonade)の読み取りと条件記述(正答率18.4%)

【分析(受験生がつまずいた原因)】
スピーチ本文の内容(怪我をして走れなかったが、動画分析などで記録を伸ばした)を、
エミリーが紹介した「If you have lemons, make lemonade.(逆境を好転させる)」という比喩表現に当てはめる問題です。
「lemon=怪我(injuring my leg)」であることは理解できた人も、
「lemonade」が何を指すのかを「7語以内」(基本7語で考えよう)のコンパクトな英語(finding different ways to improve my jumpなど)でまとめることができず、無答率が22.4%にまで跳ね上がりました。

「言い換え(パラフレイズ)」のクセをつけよう
日頃の長文読解において、「つまりどういうことか?」を日本語で要約させるだけでなく、「本文中の言葉を使って1フレーズ(名詞句や動名詞句)で言い換える」練習を徹底します。特に「動名詞(~ing)を用いた意味の塊(チャンク)」を瞬時に作る記述体力を養います。

② 大問1 聞き取り問題B 条件付き応答文(正答率14.4% / 部分正答率18.8%/ 無答率14.6%)

本問は、メアリーの提案に対し、次郎として「4語以上の英文」で質問を返す問題です。

完全正答率が14.4%と低く、誤答・無答が合わせて6割を超えていることから、受験生が英文を作る以前に「そもそもメアリーの英語を正確に聞き取れていなかった」可能性が極めて高いと推察されます。また、部分点に留まった18.8%の層については、内容は聞き取れたものの、助動詞の語順や主語の選定で文法ミスがあったと考えられます。

対策

リスニングの記述問題で点数を取るために、次の2つを徹底していきましょう!

  • スクリプトを見ながら何度も聴き、
    「音と文字」を一致させる
    スクリプト(台本)を見ながら音声を繰り返し聴きます。耳から聞こえる「音」と目で見ている「文字」をカチッと一致させる練習です。
    さらに、聞こえた英語をそのまま書き写す「ディクテーション(書き取り)」を取り入れることで、1語1句を正確に聞き取る耳が圧倒的に育ちます。
  • 聞き取ったセリフに、パッと英語で返す練習(クイックレスポンス)
    内容が聞き取れたら、「相手に対して、3語〜5語の簡単な疑問文をサッと作って返す」練習を授業の最初の5分などで重ね、即答力を鍛えていきます。

「正確に聴き取り、自分で言葉を返す」練習を積み重ねて、リスニングの記述問題を得点源にしていきましょう!

③ 大問4 自由英作文(正答率4.0% / 部分正答率49.2% / 無答率9.3%)

本問は「家庭ごみの削減」という、受験生にとって身近な環境対策をテーマとした出題でした。中学校の授業で誰もが学習する「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」に直結する内容であり、テーマ自体は馴染み深いものであったと言えます。

しかしながら、完全正答率は4.0%と極めて低い数値に留まりました。 一方で、部分正答率が49.2%と、約半数の受験生が部分点を確保しています。

このデータからは、多くの受験生が白紙(無答率9.3%)で提出することを避け、何らかの記述を試みたことが窺えます。部分点を確保した層は、採点基準の正答例に示されている「古い服(old clothes)から買い物バッグ(shopping bag)を作った(=リユースの経験)」という極めて簡潔な記述のように、自身が確実に記述可能な、基礎的な英語表現(中学校第1・第2学年相当)を用いて条件を満たしたものと考えられます。

学習で意識すること

自由英作文で点数を取るためには、「英語の作文では、難しいことや、すごいアイデアを書く必要はまったくない」ということです。

正答率のデータを見ると、満点を取れた人はわずか4.0%しかいません。でも、部分点を取れた人は49.2%と、約半分もいます。 つまり、部分点はもらいやすいということです。

これからの勉強では、次のことを徹底していきましょう。

  • 難しい内容は、簡単な話に「脳内変換」する 「中1・中2の英語だけで書ける、ウソでもいいから簡単なエピソード」に頭の中でパッと切り替えるチカラを鍛えていきます。今回の「古い服からバッグを作った」という模範解答は、自分でしてなくても聞いたことはある話です。
  • 「書き方の型(テンプレート)」を体にしみ込ませる 指定されている「30語〜55語」をきれいに埋めるために、
    【自分の意見(1文) + 自分の経験(2文) + まとめ(1文)】という決まった型を何度も練習しましょう。

「まずはこの型をマスターすること」を目指しましょう。それだけで、確実に部分点をもぎ取ることができます。一緒に練習を積み重ねていきましょう!